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グルーミングで叶う犬の健康習慣
【目次】
みなさんは「グルーミング」をご存知ですか?グルーミングと犬を清潔に保ち、健康を守るために行う体全体のお手入れのことです。トリミングもグルーミングに含まれていますがそれ以外にも皮膚や被毛の状態に注意をはらい、同時に耳(外耳、耳介)、目の周囲(眼瞼)、口(口腔内、歯肉、歯)、お尻(肛門腺)などもチェックし、犬の健康状態を把握します。トリミングは自宅で行うことはなかなか難しいですが、グルーミングはご自宅で取り入れていただきたいケアです。ここでは、なぜグルーミングが必要なのか飼い主目線で分かりやすくお話しします。
耳のケア
犬の耳は汚れやすく、外耳炎などのトラブルが起こりやすい場所です。耳から悪臭を放ち、炎症による液体が出ている場合は寄生虫や細菌感染が考えられます。定期的にチェックをして耳の中を清潔に保つことで、痒みや匂い、炎症を防ぐことができます。耳が垂れている犬は特に蒸れやすいので注意が必要です。
耳掃除のやり方
1.耳を軽くめくって中をチェック(赤み・汚れ・においがないか)
2.コットンに犬用イヤークリーナーをつけ、耳の入口部分をやさしく拭く
3.鼓膜を傷つける可能性があるので奥まで触らない
*嫌がる場合や痛がる場合は無理せず動物病院で処置を行ってください。
*耳毛が生えている子は無理に抜かずトリマーや動物病院に任せるのがおすすめです。
目の周囲(瞼)のケア
目はとてもデリケートな部分です。涙や目やにが目頭に溜まると炎症や感染の原因になります。その場合は拭き取り、異常がないか確認することが大切です。充血や濁り、白く曇った様子が見られたら、病気のサインかもしれませんので早めに獣医師に相談しましょう。
目やにのとり方
1.コットンやガーゼをぬるま湯で湿らせる
(目やにが固まってる場合は長めに漬け込む)
2.目頭から外側に向かってやさしく拭く

あいづま動物病院では洗眼液や目の周りのケア用品を取り扱っております。
口腔内のケア
口腔ケアは寿命にも関わる大切な健康管理のひとつです。歯磨きを怠ると歯石や歯周病が進行し、口臭や痛みに繋がります。日常的な歯磨きやデンタルグッズでケアし、定期的な獣医師のチェックも行ってください。
歯の磨き方
1.犬用歯ブラシか指サックタイプの歯ブラシを使う
2.犬用歯磨きペーストをつけて、前歯から奥歯へ順番に磨く
*嫌がる子は歯磨きシートやデンタルガムで慣らしてみる。
歯の磨き方についてはこちらのコラムでも紹介してます。
犬の歯磨きの進め方https://aizuma-vet.com/news/p364/
愛犬のデンタル用品の選び方https://aizuma-vet.com/news/p722/
お尻のケア
犬の肛門の周囲には肛門腺※と呼ばれる分泌器官があります。肛門腺で生成された分泌液は肛門嚢(こうもんのう)に蓄えられます。この分泌物はマーキングに利用されますが、上手く排出されない状態で溜まってしまうと炎症や臭いの原因になります。放置すると炎症が起こり腫れや破裂を引き起こすこともあります。また、お尻を床にこすりつけるような仕草が見られたら、炎症が起きているか、肛門腺がたまっているサインの可能性があります。自力で排出できる子もいますが、特に小型犬やオス犬は肛門腺がつまりやすい構造のため、個体にもよりますが1ヶ月に1度ほど定期的に絞ってあげること良いです。
肛門腺の出し方
1.ゴム手袋をしてティッシュやガーゼを準備します。
2.尻尾を上げ、肛門の両側の肛門嚢のあたりを軽くつまむ(4時と8時の位置)
3.真ん中(肛門)に向かって少しずつ押すと分泌液が出ます。
4.絞った後は優しく拭いてください。
※肛門腺とは…犬の肛門嚢(こうもんのう)にある分泌液をためる腺。
皮膚、被毛のケア
皮膚や被毛のケアを怠ると、炎症や病気の原因になることがあります。ブラッシングやシャンプー(ベイジング:Bathing)は毛並みを整えるだけでなく、フケ・赤み・しこりなどの異常を早期に発見できる大切なチェックの機会です。抜け毛や毛玉の発生を防ぎ、血行を促進し、ノミ・ダニの早期発見にも役立ちます。また皮膚と被毛は、外からの刺激や細菌から体を守るものとなります。
ブラッシングのやり方
1.スリッカーを使い根元から優しくとかす
2.毛玉やもつれがある場所をスリッカーでほぐす
3.仕上げにコームで整える
*手強い毛玉がある場合は無理にやらない。
シャンプー(ベイジング)のやり方
1.ぬるま湯で体を濡らす(35℃以下)
2.シャンプーで全体を洗う(目に入らないように注意)
3.しっかり流す
汚れが落ちていない場合は2.3を繰り返す
4.被毛に合わせてリンスをつける(顔にはつけない)
5.しっかり流す
*皮膚に合ったシャンプーや皮膚に合った温度で行う。長毛の子はしっかりブラッシングしてから行う。
ドライングのやり方
1.しっかりタオルドライをする
2.温度と距離に注意をしてドライヤーをあてる
☆顔に当てすぎると目の乾燥や炎症の原因になるので注意してください。ブラシなどを使って乾かすと効率が良くなります。ドライヤーが苦手な子もいるので最初は弱い風がおすすめです。
3.仕上げにブラシで整える
ブッラシングやシャンプー被毛のケアについてはこちらのコラムから
ブラッシングしてますか?愛犬の被毛の役割と自宅での被毛のケアの必要性https://aizuma-vet.com/news/p1093/
愛犬のシャンプー剤ガイド:人間用シャンプーとの違いと、シャンプーの選び方https://aizuma-vet.com/news/p779/
トリミングについて
トリミングは自宅で行うことも可能ですが、やはりプロに任せると安心です。プロのトリマーは、犬種や毛質に合わせた適切なケアができるだけでなく、犬への負担も最小限にしてくれます。バリカンやハサミを使うケアは慣れていないとケガをさせてしまうリスクもあります。また、多くのサロンでは肛門腺絞りや耳のケア、お口のケアなどはトリミングコースに含まれていたり、単品メニューとして対応してくれることもあります。とはいえ、日常的なブラッシングや軽いシャンプー、部分的なケアを含めた健康チェックは飼い主がこまめに行ってあげることが大切です。プロと自宅ケアをうまく使い分けることが、犬にとっても飼い主にとっても最適なスタイルになります。
まとめ
愛犬の健康を守るために、グルーミングは欠かせません。見た目を整えるだけでなく健康維持や病気予防、さらには飼い主とのスキンシップを深め暮らしをより豊かにしてくれる大切なケアです。適切なケアを行わないとトラブルが起こる可能性もあります。またケアを行う上で、ペットが嫌がったり痛がる場合は何かトラブルが起きているサインかもしれません。そのような時は動物病院を受診してください。
ケアの方法が分からなかったり、困ったことがあった場合も動物病院でケアの方法の指導をできますのでお気軽にご相談ください。
愛犬の清潔で快適な生活のために日頃のグルーミングでサポートしてあげましょう。