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コラム-犬

2025.05.20

愛犬のデンタルケア用品の選び方

犬が高齢になって動物病院にかかる、よくある理由の1つに口腔内のトラブルがあります。癌などとは違い、日頃からケアをすることで、トラブルを未然に防ぐことが出来ます。歯周病や口臭を予防するためにデンタルケアはとても大切なのです。3歳を過ぎた犬の8割が歯周病に罹患していると言われています。当院でも犬のお口のトラブルに悩まれる飼い主様が多く、中には歯周病で多くの歯を抜歯しなくてはならないことも度々あります。歯の汚れを放置すると歯石になってしまいますが、犬の歯石除去は全身麻酔が必要なため、人間のように頻繁に行うことが出来ません。また、歯周病による口臭に悩まれる飼い主様も少なくはありません。こうした歯周病を防ぐためには日頃のケアが欠かせません。しかし、歯磨きがスムーズにできずデンタル用品に悩まれる飼い主様も多くみえます。

この記事では、どんなデンタルケア用品があるのかや選ぶポイント、歯ブラシが難しい場合の代替品などをご紹介します。愛犬にぴったりのアイテムを選んで、健やかなお口を目指しましょう!

歯ブラシを使う前に

歯磨きといえば想像するのはまず歯ブラシだと思います。実際、ペットショップでも様々な歯ブラシが陳列されていると思います。しかし、人と違って犬に対していきなり歯ブラシを使うのはハードルが高い場合があります。ですから、まずは指や歯磨きシートで口や歯に触れる練習をして、慣れてから歯ブラシに挑戦しましょう。歯磨きシートを用いる場合、指を噛まれないよう注意してください。

 歯ブラシを選ぶポイント

当院で取り扱いのデンタルブラシ

1. サイズ

愛犬の口に合ったものを選んでください。超小型犬や小型犬には小さめの犬用歯ブラシがおすすめです。子供用歯ブラシも代用できますが、大きすぎると奥まで磨けません。  

2. 毛の硬さ

硬すぎる毛は歯茎を傷つけるので、柔らかいものを選びましょう。 人が握りやすい形を選ぶと磨きやすいです。

3. 持ちやすさ

一般的な歯ブラシ型や、指を引っ掛けるタイプなどがあります。力を入れすぎず、歯と歯茎の間の歯周ポケットを意識して磨きましょう。

様々なタイプの歯ブラシ

様々なタイプの歯ブラシがありますがここでは2種類を紹介いたします。愛犬の性格や飼い主様の使いやすさに合わせて選びましょう。

指サック型歯ブラシ

指サック型や指にはめて使用するタイプもあります。歯と歯の隙間には届きにくいため、歯磨きが苦手な犬や歯磨きを練習する際に慣れさせる目的での使用がおすすめです。

手袋型歯ブラシ

ブラシ型の歯磨きが難しい子には、軍手のような手袋を手にはめ、歯を磨くタイプもあります。指先だけにつけるタイプもあります。こちらも歯磨きが苦手な犬の練習におすすめです。

デンタルジェルの選び方

歯ブラシだけでも磨けますが、デンタルジェルを使うと効果がアップ!ジェル状で、すすぐ必要はありません。

当院では3種類のフレーバーをご用意しております。

選ぶポイント

好きな味 :愛犬が喜ぶフレーバーを選ぶと歯磨きがスムーズに。最初はデンタルジェルを舐めさせて慣らすのがおすすめです。 

注意点 

必ずペット専用を使用してください 人間用の歯磨き粉はフッ素を含んでおり、歯磨き粉を飲み込んでフッ素中毒になってしまう危険性があります。また、キシリトールが含まれている場合は少量でも急性低血糖や肝障害のリスクがあり、命に関わりますので絶対に使用しないでください。

歯磨きが難しい場合の代替品

歯磨きを嫌がる犬や、噛んでしまう場合でも諦めないで!以下のようなアイテムで少しでもケアをサポートできます。

デンタルガム  

噛むことで歯垢や歯石の付着を減らし、口臭をさわやかにする効果が期待できます。また、ご褒美としても使えますが、接触する部分が限られていますので、犬歯や前歯にはそれほど効果が見込めません。丸のみや食べ過ぎによる消化不良・肥満、歯の破折に注意してください。あげる際は丸のみしないように、手で持ってまんべんなくしっかり噛ませましょう。

デンタルトイ

噛むことで歯垢を抑え、血流を促進する効果があります。おもちゃをガジガジかじることで楽しくケアできます。ただし、硬すぎると歯が折れるリスク、柔らかすぎると破損して誤食の危険があるので、素材に注意してください。

 サプリメントでサポート

歯磨きが基本ですが、サプリメントで歯周病予防を強化できます。飲水やフードに混ぜるタイプなど、使いやすいものが豊富です。

当院おすすめ「プロデンデンタルケア」

当院で扱う「プロデンデンタルケア」は、天然海藻が原料の安全なデンタルケア用品で、健やかな口内環境を促す効果を期待できます。人工添加物や保存料は不使用で、犬用・猫用があります。粉末を毎日の食事に振りかけるだけで、お口の健康をサポートします。 

この製品自体に歯石を溶かすなどの効果はございませんが、食べることで海藻の成分が身体に吸収され唾液成分に取り込まれ、その唾液がお口の中に広がる仕組みと言われています。ですから、唾液の性質を改善し、結果として口臭が抑えられ歯石がつきにくくなる効果が期待できます。

当院では特に歯石除去後や愛犬の口臭に悩まれる患者様におすすめしております。 手軽に続けることができ、効果を感じられる飼い主様が多いため好評です。

【注意】 猫の甲状腺機能亢進症(高齢の猫に多い)や妊娠中の犬・猫は使用を避けてください。湿気を避け、子供の手の届かない場所に保管してください。本製品は、栄養摂取を目的とした製品ではございません。

デンタルケアのコツと始め方

デンタルケア用品を選ぶ際は、無理なく継続して行うために、飼い主様の使いやすさと愛犬の好みが大切です。歯磨きを嫌がる場合は、以下のステップで少しずつ慣らしましょう

  1. ジェルを舐める:歯磨きジェルを舐めさせて、味に慣らす。  
  2. 口を触る:指やシートで口周りを触り、抵抗を減らす。  
  3. 歯ブラシに挑戦:慣れてきたら、短時間から歯ブラシを試す。

焦らずゆっくり進めるのが成功の鍵です。もし上手くいかない場合や、どの用品が良いか迷ったら、気軽に獣医師に相談してください。

愛犬の歯磨きについてはこちらのコラムで詳しくご説明いたします。→「犬の歯磨きの進め方」

 LION(ライオンペット株式会社)のHPでも歯磨きのステップや製品についてわかりやく詳しい解説がございます。→https://www.lion-pet.co.jp/petkiss/dog/

最後に

愛犬のデンタルケアは、健康な生活の第一歩です。歯磨きを嫌がってしまう犬にも、種類の違うブラシやデンタルジェルを選ぶことでやり易くなる場合もありますので、諦めずに様々なケア用品を試してみてください。習慣にし、継続することが大切ですので、愛犬と飼い主様にとって無理なく使用できる方法を見つけてください。毎日のケアで、愛犬の笑顔とお口の健康を守りましょう!

実際にデンタルケアを行ってみるとうまくいかなかったり、何を使用したら良いかなど疑問が出てくることもあるかもしれません。お困りの場合には当院までお気軽にご相談ください。

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