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2025.04.20

自宅でも出来る猫のお手入れ方法 〜ブラッシング編〜

今回は、猫ちゃんの健康と快適な生活のために自宅で簡単にできるお手入れ方法として、「ブラッシング」に焦点を当ててお話しします。ブラッシングは、健康管理だけでなく愛猫とのコミュニケーションを深める重要なケアです。この記事では、「ブラッシングの必要性」と「ブラッシングの方法」を詳しくご紹介します。ぜひ参考にして、猫ちゃんとの素敵な時間を楽しんでください。

ブラッシングの必要性

猫ちゃんは自分で毛づくろいをするのが得意で、舌を使って体をきれいに保ちますよね。そのため、「ブラッシングって本当に必要?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。しかし、実はブラッシングには以下のような重要なメリットがあるんです。

毛玉の予防と被毛の健康維持

猫ちゃんが毛づくろいをすると、抜け毛を飲み込んでしまうことがあります。特に長毛種や換毛期(春や秋)の猫ちゃんは、毛玉が胃や腸にたまりやすくなり、体調不良や毛球症(※)の原因にもなります。ブラッシングで余分な抜け毛を取り除くことで、毛玉のリスクを減らし、消化器系の負担を軽減できます。また、毛並みを整えることで被毛が絡まるのを防ぎ、皮膚の健康も保てます。

※毛球症:毛繕いで飲み込んだ毛が胃や腸で溜まり固まること。重症の場合は腸閉塞を起こし内視鏡や手術が必要です。

皮膚トラブルの早期発見

ブラッシング中は、猫ちゃんの皮膚をじっくり観察するチャンスです。ノミやダニ、湿疹、傷、しこりなど、普段見逃しがちな異常を早めに気づくことができます。特に毛の深い部分やお腹、耳の裏などは自分で確認しにくい場所なので、ブラッシングを通じてチェックすることで、早期発見につなげられる可能性が高まります。

抜け毛の飛散を減らす

猫ちゃんの抜け毛が部屋中に散らばると、お掃除が大変ですよね。定期的なブラッシングで抜け毛をしっかりキャッチすれば、ソファやカーペットに毛が付くのを減らせます。飼い主さんにとっても快適な生活環境を保つ助けになります。

猫ちゃんとの絆を深める

ブラッシングは、ただのお手入れ以上の意味を持ちます。優しくブラシをかけながらスキンシップを取ることで、猫ちゃんに安心感を与え、信頼関係を築くことができます。気持ちいいと感じれば、ゴロゴロ喉を鳴らしてリラックスしてくれるかもしれません。

ブラッシングの方法

それでは、実際に自宅でブラッシングを始めるためのステップをご紹介します。初めての方でも簡単にできる方法なので、ぜひ試してみてください。特に長毛種はブラッシングが欠かせないため、幼少期から少しづつ慣れさせてあげてください。

初めてのブラッシング道具

猫の毛の長さに合ったものを選びましょう。短毛種にはゴム製のブラシやスリッカーブラシ、長毛種には目の粗いコームやピンブラシがおすすめです。毛玉やもつれを取るときはスリッカーブラシがおすすめです。

  1.  ラバーブラシ : ゴムやシリコン製になっており安全にブラッシングができる道具です。同じ場所をやりすぎると皮膚に炎症を起こす場合がありますので注意が必要です。
  2. スリッカーブラシ猫の皮膚を傷付けやすいので、できるだけ軽く持ち無理に引っ張らないように使用して下さい。慣れないうちは先端が丸いものがおすすめです。
  3. コーム : 毛玉が引っかかりやすいので、ブラシの後に使います。また、毛玉を探したり毛並みを整えます。一番最初にコームを使うのはおすすめではありません。
  4. ピンブラシ : 人間用のヘアブラシに近い形状をしており、スリッカーに比べて痛みを感じにくい構造になっています。

コームで毛の根本からよくとかし、毛並みを整えます。

タイミングを見極める

猫ちゃんがリラックスしているときがベストです。例えば、食事の後やお昼寝の前など、落ち着いているタイミングを選びましょう。無理やり始めると嫌がられてしまうので、機嫌の良いときを見計らってください。

少しずつ慣らす

初めてのブラッシングでは、いきなり全身をとかすのはNGです。まずはブラシを見せて匂いを嗅がせたり、軽く背中を撫でる程度からスタートして下さい。最初から無理にやると嫌がる子が多いので最初は怖くないよと伝えるためにも道具の一部を優しくふれ、ワンクッション挟むと良いです。様子を見ながら、少しずつ範囲を広げていきます。最初は1~2分でも十分です。

ブラッシングの手順

基本的には、ブラシである程度ブラッシングをしてからコームでとかします。

毛玉になった部分も毛を掻き分け、表面から順番に根本からスリッカーで優しく丁寧にブラッシングして毛玉をほぐします。

  1. 絡まりやすい部分に注意 : 特に長毛種は耳の後ろ、お腹、脇の下、尻尾の付け根は毛が絡まりやすい場所です。優しくほぐしてください。
  2. 顔周りは慎重に : 目の周りや口元は敏感なので、ブラシの先で軽く撫でるか、濡れたタオルで拭くだけでもOKです。
  3. 抜け毛を取る : ブラシにたまった毛はこまめに取り除き、効率よく進めましょう。

ご褒美で締める

ブラッシングが終わったら、「よく頑張ったね!」と褒めてあげて、おやつや大好きなおもちゃで遊んであげてください。良い印象を持ってもらうことで、次回もスムーズに協力してくれるようになります。

注意点とコツ

嫌がる場合は無理しない

猫ちゃんがストレスを感じているサイン(尻尾を振る、うなる、逃げるなど)を見逃さないでください。一旦休憩して、別の日に再挑戦しましょう。 手におえない、やり方がわからない場合は一度プロに相談してみましょう。毛玉ができてしまった時などに、ハサミやバリカンを使用する場合は、猫の皮膚を傷つけてしまわないよう十分に注意して使用してください。

頻度は猫種で調整

短毛種なら週1~2回、長毛種なら毎日が目安です。換毛期は少し増やしても良いですね。  

異常があれば獣医師へ

ブラッシング中に脱毛や赤み、かさぶた、しこりなどを見つけたら、早めに動物病院で相談してください。

おわりに

ブラッシングは、猫ちゃんの健康と快適さを保つだけでなく、飼い主さんとの特別な時間を作り出す素敵なお手入れです。最初は慣れないかもしれませんが、焦らず少しずつ進めてみてください。愛猫が気持ちよさそうに目を細める姿を見ると、きっと「やってよかった!」と思えるはずです。もしブラッシングについて質問があれば、いつでも当院スタッフにお気軽にご相談ください。

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