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フクロモモンガを飼育する上で気をつけて欲しい3つのポイント

ここ数年人気が高まってきており、愛らしい仕草が魅力のフクロモモンガですが、夜行性、樹上性など野生動物由来の習性から飼育ミスでトラブルを起こしやすい面もあります。そこで今回は、すでに飼い主の方はもちろん未来の飼い主の方にも、特に知っておいてほしいポイントを3つまとめました。
布製品の絡まりに注意
当院で特に多いフクロモモンガの来院理由は布製品の絡まりによる事故です。
ケージ内に設置したタオルや布製品の糸くずが、手足・尾に絡まってしまうことで、身体の一部が壊死してしまい、切断手術が必要となることもあります。
対策
ケージ内で布製品を使用する場合は定期的に裏返してほつれがないかなど念入りにチェックしてください。糸くずのでやすい製品の使用を避け、ほつれが見られたら使用を中止してください。タオル生地はフクロモモンガの爪に引っかかりやすい為、使用する場合十分気を付けて下さい。
ストレスによる自傷行為に注意
フクロモモンガはもともと社会性の強い動物であるため、単独飼育より多頭飼育が向いています。単独で飼うとストレスで病気になりやすくなったり、自傷行為をしてしまう場合があります。自傷行為によって出来た傷が悪化し、手術が必要になることもあります。
対策
1匹で飼育する場合はフクロモモンガのストレスを解消させるよう飼い主様が毎日適度にコミュニケーションをとり、十分な運動もさせストレスを軽減させてください。可能であれば2匹以上で飼育してください(ただし相性が合わない場合もあるので注意が必要です)
もともと果物や小動物、虫などを食餌する樹上性で夜行性の動物ということを理解して接してあげて下さい。室内散歩の際はフクロモモンガの爪がカーテンなどに引っかかって怪我をしないよう注意してあげてください。
しかし、樹上性の動物であるため爪を短く切りすぎるのはあまりおすすめしません。
低体温症と仮死状態を防ぐ
フクロモモンガはオーストラリアの熱帯雨林出身です。最適温度は26〜30℃、湿度は50〜70%です。
低体温になると体調が悪くなったり仮死状態になってしまうことがあります。幼少期(生後1〜3ヶ月)は体温調節機能が未熟で、低体温症になりやすいので特に注意が必要です。
ケージ内にヒーター設置していたにも関わらず、ヒーターから離れて寝てしまった為に低体温に陥り仮死状態なってしまう事もあります。仮死状態になってしまうと、呼吸や心拍は非常にゆっくりになり、ほぼ動かず体温が下がります。フクロモモンガは冬眠する動物ではありません。一度仮死状態になると、回復したとしても身体は大きなダメージを負うことになります。
もし、仮死状態や低体温の疑いがあれば、身体を温め、すぐに受診してください。
対策
気温の低い時期はケージにヒーターを設置(温度計使用推奨)し、室温も20℃以上30度以下をキープして下さい。とくに季節の変わり目は朝晩冷え込むことがありますので注意してください。夏でも冷房が効いた部屋では油断しないでください。
湿度不足時は霧吹きや加湿器で対応すると良いでしょう。
まとめ
当院の症例から特に注意してほしい3つのポイントを紹介しました。
今回の3つのポイント以外にも、気をつけるべきポイントは多くあります。フクロモモンガが快適にそして長生きできるように防げる事故や習性を学び飼育環境を整えていきましょう。適切なケアと飼い主の理解が、フクロモモンガとの幸せな生活に繋がります。