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自宅でチャレンジ!毎日出来る健康チェックで病気の早期発見を
【目次】
大切な家族の一員であるワンちゃんやネコちゃんが、いつまでも健康で元気に過ごしてくれることは、飼い主さん共通の願いですよね。しかし、言葉を話せない彼らの体調の変化に気付くのは、時に難しいものです。
そこで今回は、ご自宅で毎日出来る健康チェックのポイントをご紹介します。異変にいち早く気づくためには、平常時のコンディションを把握しておくことも重要です。日々のスキンシップの中で意識的にチェックすることで、病気の早期発見につながり、ワンちゃん、ネコちゃんの健康寿命を延ばすことにも貢献できます。
触れて気づく!全身のチェック
被毛と皮膚
チェックポイント:毛並みにつやがあるか、フケや脱毛が無いか、皮膚に赤み、かさぶた、できものがないか
確認方法:撫でながら毛並みを逆立てて皮膚の状態を確認します。特に、脇の下、お腹、股の内側、耳の後ろなどは見落としやすいので念入りに。
注意点:ノミやダニの寄生がないかも確認しましょう。黒い粒々(ノミの糞)や、皮膚に付着した小さな点(ダニ)を見つけたら、すぐに動物病院にご相談ください。
しこり・腫れ
チェックポイント:全身を優しく触りながら、普段はないしこりや腫れがないか。
確認方法:頭から尾の先まで、リンパ節がある首、脇、股の付け根を中心に、マッサージするように触っていきます。
注意点:小さなものでも、見慣れないしこりや腫れを見つけたら、動物病院を受診しましょう。良性のものから悪性のものまで様々ですので、自己判断は禁物です。
心拍数(脈拍数)
チェックポイント:正常な心拍数は1分あたり100〜150回。興奮時や運動後は増えることもありますが、180〜200回を超える場合は注意が必要です。
確認方法:脈は後ろ足の内側の付け根にある動脈から取ります。指を当てると、トクトクと脈を感じられるでしょう。ワンちゃん、ネコちゃんが落ち着いている時に測るのがポイントです。1分間測り続けるのが難しい場合は、15秒の脈拍数を数え、4倍してください。
体温
チェックポイント:犬猫の平熱は人間よりも少し高めの38℃〜39℃。40℃を超える場合は動物病院を受診しましょう。
確認方法:より正確で安定しているのは、肛門に体温計を入れて測る直腸温です。犬猫用に先が柔らかくなっている体温計を使いましょう。お尻で測るのが難しい場合は、耳で測る体温計もあります。
見てわかる!目・鼻・口・呼吸・耳のチェック
目
チェックポイント:しょぼつき、目やにの量や色、充血がないか、涙の量、白目の色、目の輝き。
確認方法:目頭や目尻に過剰な目やにがないか、涙が常に溢れていないかを確認します。白目が黄色い場合は黄疸の可能性も。
注意点:目をしょぼしょぼさせる、痒がる、濁っているなど、普段と違う症状が見られたら受診を。
鼻
チェックポイント:鼻の湿り具合、鼻水の有無、あれば色、鼻血がないか。
確認方法:健康な犬猫の鼻は、適度に湿っていてツヤがあります。乾燥しすぎている、ひび割れている、鼻水が出ている場合は注意が必要です。
注意点:色のついた鼻水(透明、黄色や緑色)、粘り気のある鼻水、鼻血が出ている場合は、動物病院へ。
口(歯と歯茎)
チェックポイント:歯石の有無、歯茎の色、口臭。
確認方法:口を軽く開けてもらい、歯に茶色い歯石が付着していないか、歯茎の状態はどうかを確認します。歯茎が赤く腫れている、出血がある場合は歯周病の可能性も。
注意点:強い口臭は、歯周病だけでなく、内臓疾患のサインであることもあります。自宅での歯磨きに加え、定期的な歯科検診も大切です。
※CRT(毛細血管再充満時間)
チェックポイント:歯茎を指で押すとピンク色から白色になりますが、通常であれば指を離せば1秒以内に再びピンク色に戻ります。
注意点:色の戻りが遅い場合は、心臓の病気などの循環障害が起きている可能性があります。
呼吸数
チェックポイント:呼吸数は1分あたり20回以下が一般的ですが、犬猫の気持ちや状況により上下するのと、個体差があるため普段の呼吸数を知っておくことが大切です。
確認方法:胸の動きで呼吸数を測ります。心拍数と同様に落ち着いている時に測りましょう。こちらも1分間測るのが難しい場合は、15秒測って、4倍してください。
耳
チェックポイント:耳垢の量や色、臭い、耳の内部の赤みや腫れ。
確認方法:耳をめくり、入り口付近をチェックします。健康な耳は、きれいな薄いピンク色をしています。
注意点:黒っぽい耳垢、強い臭い、耳を痒がる、頭を振るなどの行動が見られたら、外耳炎などの耳の病気の可能性があります。綿棒などで奥まで掃除すると耳を傷つける恐れがあるので、気になる場合は動物病院で処置してもらいましょう。
日々の変化に気づく!行動・排泄のチェック
食欲・飲水量
チェックポイント:食欲の変化(増減)、飲水量の変化(増減)。
確認方法:普段食べている量と比べて、急に食べなくなった、あるいは食べ過ぎるようになった、水の減りが異常に早い、または全く飲まないなど。
注意点:食欲不振は様々な病気のサインです。飲水量の急激な変化は、腎臓病や糖尿病などの可能性も考えられます。
排泄(尿と便)
チェックポイント:尿の色、量、回数、便の色、形、硬さ、回数。
確認方法:尿の色が濃い、薄い、血が混じっている、量が少ない、回数が多い。便が軟らかい、固い、下痢、便秘、色がいつもと違う(黒い、白い)、血が混じっている。
注意点:排泄は健康のバロメーターです。少しの変化でも、すぐに気づけるように観察しましょう。特に、血尿や血便は緊急性が高いことが多いです。
元気・活気
チェックポイント:普段の活動量、遊びへの興味、呼んだ時の反応。
確認方法:普段より元気がない、寝ている時間が増えた、遊びたがらない、名前を呼んでも反応が鈍いなど。
注意点:元気がない、ぐったりしているといった状態は、体調が悪いサインです。日頃からワンちゃん、ネコちゃんの個性や性格をよく理解し、些細な変化にも気づけるようにしましょう。
定期的な体重測定も忘れずに
体重は、健康状態を示す重要な指標の一つです。月に一度など、定期的に体重を測定し、記録しておくことをお勧めします。急激な体重の増減は、病気のサインであることがあります。
まとめ
ワンちゃん、ネコちゃんは私たち人間よりもずっと早く時間が流れています。ほんの少しの変化でも、すぐに病気が進行してしまうことがあります。「いつもと違うな」と感じたら、どんな些細なことでも構いません。迷わず動物病院にご相談ください。早期発見、早期治療が、ワンちゃん、ネコちゃんの健やかな生活を守るための何よりの鍵となります。
ご自宅での健康チェックと、定期的な動物病院での健康診断を組み合わせることで、ワンちゃん、ネコちゃんが一日でも長く、笑顔で過ごせるようサポートしてあげましょう。