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自宅でもできる猫のお手入れ方法~爪切り編~
【目次】
猫の爪切りは、最初は「どこまで切ればいいの?」「出血させてしまったらどうしよう?」など不安があるかもしれません。無理矢理押さえつけた結果、爪切りを嫌がるようになってしまい、ご自宅での爪切りが難しくなってしまう場合もあります。しかし、爪切りは愛猫の健康と快適な生活のために大切なケアの一つです。今回は、どうしたら自宅でうまくできるようになるか、猫の爪切り方法をご紹介します。
爪切りの必要性
鋭い爪は危険
猫の爪は鋭く鉤状で、カーテンやカーペットに引っかかったり、飼い主さんや他のペットを傷つけることがあります。猫ちゃん自身が顔を引っかいてしまうこともあります。定期的な爪切りで安全を保ちましょう。
伸びすぎに注意
爪が長すぎると折れたり、肉球に刺さって炎症を起こすリスクがあります。特に、前足の「狼爪(親指にあたる爪)」は自然に削れにくいので要チェックです。

肉球に食い込んだ狼爪をカットし処置した後です。肉球に穴が空いて傷になるので、感染などの注意が必要です。
室内猫や高齢猫は特にケアを
室内飼いや高齢の猫は、爪とぎや運動量が少ないため爪が削れにくい傾向があります。定期的なお手入れでトラブルを防ぎましょう。
爪切りの頻度は?
猫の年齢、体格、性格、生活環境によって爪の伸び方は変わりますが、目安は2~4週間に1回です。爪が鋭く見えたり、カーペットに引っかかったり、抱っこした時に爪が食い込んで”痛い”と感じるようになったら、爪切りの時期です。
- 成猫 : 通常は4週間(1ヶ月ごとでも)に1回くらいで十分だと思いますが、室内で飼っている猫は屋外で生活している猫より伸びやすい傾向があります。
- 仔猫 : 爪が伸びやすいので2週間に1回くらいが推奨されます 。爪切りに慣れさせるためにもこまめにケアしてあげてください。
- 高齢猫 : 運動量が少ないため爪が削れる機会が減るので2週間に1回が目安です。爪が分厚くなり巻き爪にもなりやすいため、こまめにチェックしてください。
爪切りの道具の種類
- ハサミタイプ:当院では主にこちらを使用しています。
- ギロチンタイプ :爪をギロチンの穴に通して切ります。切る部分に均等に力がかかります。
猫の爪は犬と違い硬さも厚みもそれほどないので、使用する爪切りはご自身の手に合った扱いやすいものを選ぶと良いでしょう。
人用の一般的な爪切りも代用することも出来ますが、うまく切らないと爪が割れてしまったり、高齢猫では爪が分厚くなってくることが多いので対応できないこともあります。
爪切りの方法
① 猫の爪はそのままだと引っ込んでいます。切りたい指の上下を軽く押すと爪が出てきます。
② 爪の中をよく観察してもらうとピンク色の部分が見えますので確認します。ピンク色の部分は血管や神経がありますので切ると、出血し、痛みを感じてしまいます。
③ ピンクの部分の先から白く透明な部分を1~2mm残してカットしてください。
④ カットできているか、出血がないか確認してください。
猫の爪は前肢に5本ずつ、後肢に4本ずつあります。特に前肢の親指に当たる爪(狼爪)は忘れやすいので注意してください。
痛い思いをすると次から切らせてくれなくなってしまうことがありますので、最初は無理せずに、先を少しだけ切って慣らしてください。
爪切りのポイント
リラックスしたタイミングを見計らう
警戒心が強い猫は食事後やお昼寝前など、落ち着いているときがベストです。
足先を触られることに慣らす
足先を触られることに慣らす日頃から足先を優しく触って慣れさせると、爪切りがスムーズになります。嫌がる場合は少しずつ練習をしてください
2人で協力
慣れるまでは、2人がかりで行うと良いでしょう。1人が猫ちゃんを抱っこしたり注意をそらして、もう1人が爪を切るとより安全に行えます。
ご褒美で褒める
爪切り後におやつやスキンシップで「爪切り=良いこと」と印象づけましょう。
出血した場合は?
清潔なガーゼで圧迫してください。大抵の場合、圧迫で止血出来ますが、出血がおさまらない場合は動物病院へご連絡をしてください。止血剤を用いて止血処置を行います。状況により抗生剤投与や包帯が必要になります。

当院では出血した場合、このような止血剤で止血処置をします。 ご自宅で使用する場合は目などに入らないように注意してください。また、爪のみの止血に使用してください。
爪切りが苦手な猫にあると便利なアイテム
- バスタオル:猫を包んで安定させる
- 洗濯ネット:逃走防止!爪だけ出して切るのに便利 (来院の際にも役立ちます)
- ご褒美のおやつ:爪切り後に良い印象をつける (与えすぎに注意!)
- エリザベスカラー:噛まれることを防ぐ(必要な場合)
うまくいかないときは?
動物病院に連れて行くのと違い、おうちで爪切りをする場合はチャンスがたくさんあります。ですから全部の爪を一度で切る必要はありません。1回に1~2本から慣らしてください。 どうしても嫌がる場合は、猫も飼い主さんもストレスになってしまいますので無理せず中断し動物病院に相談してください。
実際には自宅での爪切りが難しいケースも少なくなく、ご自宅で無理に切ろうとすると飼い主様や猫が怪我をしてしまう恐れがあります。また、飼い主さんに対して警戒心を強く抱いてしまうこともあります。動物病院では爪切りだけの受診も可能ですのでご利用ください。
まとめ
爪切りは、猫ちゃんの健康を守り、飼い主さんとの絆を深める大切な時間です。愛猫との楽しいひとときとして取り組んでみてください。あいづま動物病院では、ただ単に爪切りをするだけでなく、ご希望される飼い主さんに向けて爪の切り方の指導も行っています。なかなかおうちで切らしてくれない場合や、おうちで爪切りをチャレンジしてみたいけれどどうしたら良いかわからない場合、お気軽にご相談ください。