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2025.06.05

愛猫の夏を涼しく!サマーカットの種類と、失敗しないための注意点

夏が近づくと、愛猫の熱中症が気になりますよね。サマーカットは、長毛種や毛玉ができやすい猫ちゃんの暑さ対策として人気ですが、短毛種やトリミングが苦手な猫には他のケア方法が適していることもあります。サマーカットにはメリットもあれば、ストレスや皮膚への注意点もあります。この記事では、獣医師監修のもと、サマーカットの種類、向いている猫、失敗しないためのポイントを詳しくご紹介します。愛猫にぴったりの夏の過ごし方を見つけて、快適な季節を楽しみましょう!

猫の被毛の役割

猫の被毛には重要な役割をいくつか担っています。

サマーカットを検討する際にはこれらの役割を理解しておくことが大切です。

体温調節

被毛の重要な役割の一つに、体温調節があります。季節によって毛が生え変わることで体温調節をしています。

保温 : 冬の寒さから身を守るため密生した毛が断熱材のような効果を果たし熱を逃さず保温します。

放熱 : 夏には夏毛に生え変わり熱がこもりにくくなります。また、被毛が直射日光を遮り体温の上昇を抑えます。

皮膚の保護

クッション材として衝撃を吸収したり、紫外線から皮膚を保護する役割を果たしています。

また引っ掻き傷や擦り傷から皮膚を守るバリアのような働きもしています。

人気のサマーカットスタイル

カット前

全身バリカンカット

全身バリカンカット

全身カットから2ヶ月後

毛の流れに沿って尻尾の先まで全身をバリカンで刈る最も一般的なスタイルです。

全身を短く刈るため、抜け毛や毛玉が気になる猫ちゃんにおすすめのスタイルです。

ライオンカット

ライオンカット

顔周り、尻尾の先だけを残し体は短くするスタイル。

顔周りのカットは苦手、体だけを短くしたい猫ちゃんにおすすめのスタイルです。

部分カット

お尻周りや、お腹、足わまり、毛玉のできやすい所など部分的にカットする方法。

トリミングが苦手な猫ちゃんや、特定の部位だけを短くしたい方におすすめのカットスタイルです。

サマーカットに向いている猫

毛玉ができやすい猫

特に長毛種の猫はセルフグルーミングだけでは毛が絡まりやすく、毛玉ができやすい傾向にあります。

ブラッシングを嫌がる猫の場合、サマーカットすることで毛玉ができにくくなり、飼い主さんのお手入れも楽になります。

高齢や病気の猫

年齢や病気でグルーミングが難しい猫にとって、サマーカットは清潔を保つ助けになります。

特に寝たきりや排泄の補助が必要な猫ちゃんには、短くすることで拭き取りやシャンプーがしやすくなり、猫ちゃんの負担を軽減できます。

抜け毛が多い猫

換毛期になると、抜け毛に悩まされる飼い主さんも多いはず。サマーカットにすることで抜け毛が目立ちにくくなるだけでなく、猫が飲み込んでしまう毛の量を減らし、毛求症の予防にも繋がります。

長毛種

短毛種に比べて密な被毛で熱がこもりやすく、暑さが苦手な猫ちゃんが多い傾向にあります。

熱中症予防の選択肢の一つとして、サマーカットを検討するのもおすすめです。

知っておきたい注意点

紫外線による皮膚炎

毛を短く刈ることで直接日光が皮膚にあたり、紫外線の影響を受けやすくなります。

特に色素が薄い毛の猫ちゃんは、紫外線による皮膚炎を起こしやすいため十分な注意が必要です。

トリミングによるストレス

 

当院では猫の性格や状態に合わせてトリミングを行っております。

鎮静処置をした上でのトリミングは、センサーを装着し体調を見ながら行います。鎮静処置は事前の血液検査や施術前の絶飲食が必要です。

猫のサマーカットは、多くの猫にとって大きなストレスとなる可能性があります。

長時間拘束されたり、見慣れないバリカンやハサミの音は猫にとって不安や恐怖心を煽ります。

被毛が生えそろわない

一般的に猫の毛が生えそろうまでには半年から1年近くかかると言われています。

一度短くすると毛質が変わったり、綺麗に生えそろわず元の毛に戻らないことがあります。

過度なグルーミング

カット後の違和感やストレスから、同じ場所を執拗に舐め続け皮膚が炎症を起こしたり、脱毛することがあります。

カット後のケア

サマーカットで涼しくなった愛猫が、より快適に過ごせるようその後のケアはとても大切です、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。

室温管理を適切に行う

急に毛が短くなった猫は意外と寒がりになることがあります。エアコンの温度設定は猫の様子を見ながら調整し、風が直接当たらないよう工夫しましょう。

またドーム型のベットや毛布など、猫がいつでも暖を取れる避難場所を用意してあげると安心です。

紫外線対策

トリミング後のデリケートな皮膚を守るために、できるだけ室内で過ごさせましょう。

日向ぼっこが大好きな猫ちゃんには、時間を決めて短時間にするなどの配慮を。日当たりの良い窓にはUVカットフィルムを貼るのも効果的です。

皮膚の状態をチェック

赤み、かゆみ、脱毛などの異常がないか確認し、気になることがあればすぐに獣医師に相談しましょう。

最後に

猫のサマーカットを検討する際は、愛猫の性格、被毛の状態、そして生活スタイルを見極めることが大切です。施術中にじっとしている事が苦手な子や重度の毛玉で施術時間が長くなる場合は鎮静が必要となることもあります。長毛種の猫に毛玉が出来てしまったため、サマーカットを希望される患者様も少なくはありません。ご自宅で毛玉をハサミで切ろうとして皮膚を傷つけ、来院されるケースもございますので、毛玉の処理に困った場合はご相談ください。

サマーカットについて気になることや、ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にスタッフまでお声がけください。

当院での猫トリミングはこちらのコラムでも解説しております。→『猫のトリミングの必要性やメリットについて解説』

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